■ガゾリーヌ1/48キット■

GASSPE01K Super Mortier 60cm Karl Geaet

ガゾリーヌは1/48, 1/50のAFVやフィギュア,アクセサリーのキットと完成品を多数販売している。 このカールのキットとその完成品 (完成品は3色迷彩のZiuと,ダーク・グレイ単色塗装のLokiの二種類)は, 2003年秋にアナウンスがあり12月に発売になった。 なお本キットのスケールについて, オンライン・ショップのカタログでは1/50としているところもあるのだが, キットの箱では1/48となっているので,ここでは1/48として扱うことにする。


大型パーツ

小物パーツ

真鍮挽き物転輪

デカール

説明書

キットはレジン・パーツ以外に, 真鍮挽き物製(キャスト製ではない)の転輪とリターン・ローラー, エッチング・パーツの手すりと車体前後の梯子, 車体各部のロッド類用の真鍮線数本から構成されている。 総部品数は約150点。 "Loki"と"Ziu"のデカールも付属している。

写真でわかるとおり,レジンは様々な色のものが混用されている。 気泡やバリ,目立つ成型不良は少ないが, キャタピラなどにはそれなりに整形が必要なようである。 また,車体などの大型の部品には若干の変形が認められるので, 「煮る」などの,レジン・キットにはつき物の基本的な下ごしらえは避けられない。 金属製の転輪類は(当然ながら)レジンと違って事後変形などはありえず, シャープな出来である。 ただしハブ部分のリベットが省略されているので追加の必要がある。 ハブ・キャップ部分だけレジン・パーツにするかエッチング・パーツになっていればなお良かっただろう。 手すり,梯子は厚めのエッチングで強度があり無用な変形がないのがよい。 ただ本来は手すりも梯子も丸棒であるから, その点を気にするなら金属線やプラ棒で自作したほうが良い。

組み立て説明書は,モノクロ写真を主体にしたもので,実車の解説や写真もあり, 丁寧に作られている。 パーツの一覧表もあるのがありがたい。 写真での組み立て説明は,写真や印刷(コピー)に不鮮明な部分があると辛いので, 個人的にはあまり好みではないのだが, このキットのものは写真も明るくてわかりやすい部類だと思う。

全体のパーツ構成や,ディテールの表現は ドラゴンの1/35キット に似た部分が多く,かなり参考にしたと考えられる。 このため,転輪配置が実車と違って左右対称になってしまっている, 装弾トレイの形状が今ひとつ正確でない,など, ドラゴンのキットと共通の欠点がある。 その一方で,(ドラゴンのものを含め) これまで多くのキットが誤っていた点が正しく表現されている部分もあり,

  • 車体前部(操縦席のある側)左右の作業デッキが車体上面から一段下がった位置にある。
  • エンジン用の丸型グリル基部は車体側面から張り出している。
となっていることは評価できる。 (こうした修正がなければ, ドラゴンのキットの縮小コピーと言われても仕方がないかもしれない。)

ちょっと怪しげなのは肝心の砲身で, 内筒先端の長さ(外筒から飛び出ている部分の長さ)が少し長すぎるように見える。 あるいは外筒の方の長さが短いのかもしれない。 さらに購入したキットには操縦席の計器盤部分のパーツがなかった。 完成品の製品の方にはついているようなのだが, キットの組み立て説明書のパーツ表にも組立図にも載っていないので, 当方の購入したキットだけでの欠品なのではなく,どのキットにも入っていない可能性は高い。


■メーカーについて■

一応ガゾリーヌのキットは クレオスが輸入販売しているはずであるが, 最近の製品の輸入状況については今ひとつはっきりしない。 当方はフランスの Quarter Kit Model Shopというショップから個人輸入した。 日本国内のショップとしては ミニカーショップ コジマ が取り扱っているようである (ただし当方はこのショップからの購入経験はないので, 在庫や対応についてはコメントできない)。

ガゾリーヌの製品は自国フランスのものも含めてアイテムの数も多いが, どれも生産量は多くないようである。 実際今回入手したキットの組み立て説明書には,キット,完成品ともにそれぞれ50個の限定販売, との記述があった。 Quarter Kit Model Shopでも他のオンライン・ショップでも, このキットが限定版であるとの説明は特になかったが, 入手したければあまりのんびりはしていられないかもしれない。

なおガゾリーヌは自前のウェブ・サイトは持っていないらしい。


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