■ミニ・アート 1/35キット■


MASP 3501
WWII German 60 cm Morser "Karl" L/8.44 Gerat 40

CMK/エアモデルのキットとほぼ同時期に発売され, 日本国内価格は48,000円とレジン・キットとしても高価な方であった。 始めから「Limited Edition」と銘打っており現在も入手可能かどうかは不明。 当方は運良く中古で(少し)安価に入手することができた。

総レジン・キットでインジェクションやエッチングのパーツは一切ない。

内容のほうはかなり頑張っている。 よく実車を研究しており, CMK/エアモデルのキットで問題となった砲架の形状などは正しく再現されている (ただし問題が全くないわけではない)。 車体中央内部の部品も含まれており, 完全ではないにしても,上から覗き込んだときにガランドウでみっともない, という事態は避けられる。 全体的に見てクビンカ戦車博物館の実車を取材したか, 少なくともその詳細な写真を基にして設計されているのではないか, と思われる。 ちょっと「もっさり」した印象ではあるが砲弾も一つ付属している。

照準器を始めとする小物や細部も細かく再現しようとしている。 その一方でレジンでは成型が難しい車体両側面の手すりは添付の真鍮線から自作するように 指示されているなど, 可能な部分は徹底的に頑張って, できないところはスッパリ諦める,という姿勢には好感が持てる。

ただし,キットは射撃時の状態を再現しているために, 操縦席は金属製の蓋がつけられた状態でモールドされており, 操縦席内部の再現は一切ないのが残念。 できればこのあたりも「見せ場」の一つとして欲しかった。

レジン・キットであるがゆえに, 成型不良,欠け,変形などの問題は避けられないので, 万人向けであるとは言えない。 また,小生は中古で入手したため仕方ないのだが, 手元のキットには割れや破損が生じている部品が多く (キャタピラ部品も相当数に破損がある), 組むとなるとかなり手間がかかりそうである。


■レビュー,製作記事■
  1. ミリタリー・モデリング・マニュアル, No.10, ホビージャパン, 1998.
    嘉瀬翔氏による作例。 スクラッチの輸送貨車も含めて巣晴らしい出来栄えである。

  2. Mini Art Studios - Karl Morser Gerat 040 - Review
    Track-Link に発表されたレビュー記事。

  3. http://www.ww2modelmaker.com/modelpages/VPkarlmor.htm
    WW2 Model Maker のモデル・ギャラリーに発表されたVince Pedulla氏による作品。 足回りなど一部の部品はドラゴンのキットから流用している。 車体や砲身など, CMK/エアモデルドラゴン のキットとの基本的なプロポーションの違いがよくわかる。 凝ったディテール・アップを施すというより, キットを素直に組んで,塗装に時間をかけた作品のようだ。 一部の小物の取り付け方向などが誤っているようなので注意。


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