■ハセガワ1/72キット■
AFV模型ブームのさなかの1976年, ハセガワからレオポルド列車砲に続いて世界初の1/72カールのキットが発売され, 大いに話題を呼んだ。 資料の乏しい時期に開発され, その後にいろいろと考証上の問題点なども明らかになってしまったし, ハセガワのカタログには既に記載されていないのではあるが, 時折再生産されてきたために今日に至るも店頭で入手可能で, 手軽にカールを楽しむことができる息の長い製品である。 飛行機,車などのジャンルとは違い, AFV模型では1/35が圧倒的に製品数もファンも多い「主流」のスケールと言えるだろうが, 日ごろ主に1/35キットを作っているモデラーの中にも, ハセガワのレオポルドとカールに手を染めたことのある人は多いと思う。 2003年に中華系メーカーによる 「1/35カール戦争,レオポルド戦争」(?)が勃発したのに触発されたのか, 30年近い年月を経た2005年から2006年にかけて ハセガワはこれら往年の名キットのバリエーションを発売した。
4つのキットの相違点は下表のようになっている。 しかし, 新キットは2個とも対応する旧キットのパーツを全て含んだ上で 新パーツの追加が行われている ので, (やりかたさえわかっていれば) 旧パーツを使って8転輪シャーシの車両も製作可能であり, 2種のシャーシの選択式であると言ってよい。 さらに砲身も60cm砲と54cm砲の2種類が含まれているため, 砲身も実質選択式の内容になっている。 つまり, シャーシと砲身の組み合わせで考えるなら新キットはどちらも 2×2=4種類を作り分けることが可能である。 ドラゴンの宣伝文句を真似るなら「4 in 1」のキットであると言える。 したがって,2つの旧キットには,もはやあまり存在意義がなくなってしまっており, 既にカタログ落ちしていることと考え合わせれば, 名実ともに(?)絶版ということになるのだろうか。
クビンカに実車が保存されていることなど想像もできなかった時代に, 限られた資料に基づいて設計されたキットであるので, 細かいことを言い出せばきりがないが, これら4つのキットに共通した主な問題点を一応あげておく。
詳細については下記のページを参照願いたい。
●ハセガワ1/72キット Part 1 旧キット製作記
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Created: Tuesday June 20, 2006 Last Update: |