■GPM 1/25カード・モデル・キット■


#313 60cm Karl Geraet

GPMは, カード・モデル(ペーパー・モデル)を専門とするポーランドのメーカーである。 私はこの分野についてはよく知らなかったのであるが, ネット上の情報を読むと, よく知られた大手メーカーであるようだ。

紙工作の模型というと, (私を含めて)一定の年齢以上の世代にとっては, 子供向け雑誌の付録のイメージが結構あって, 何か子供だましのもののような気がしてしまうが, 本格的なものは非常に精巧かつ複雑な模型になっているのだそうだ。 このカールのカード・モデルも, 下記の写真からわかるとおり, とてつもなく多くのパーツから構成されており, これを本当に完成させるには, 相当な根気(忍耐)と時間が必要となりありそうだ (履帯の1リンク分に20のパーツ!)。

完成見本写真や,パーツ,組立説明書を見る限り, かなりよくリサーチされているようだ。 ドラゴンやトランぺッターの1/35キットよりも正確に再現されている部分もある。 クビンカに残る実車を詳しく取材したのであろう。

カード・モデルのキットは, 紙のパーツをそのまま切り出して組む部分と, 各種の厚さの厚紙を別途用意してそれに貼り付けてから切り出すパーツがあり, カールの場合も車体や砲架などの大型パーツや, 厚みが必要な転輪などについてはそのように指示がある。 GPMはキットとは別に, 厚紙をレーザー加工機で切り出したパーツ・セットも販売している。 「時間を金で買う」ようなものであるが, 履帯などはこのような「お助けパーツ・セット」があるのはありがたい。

LASERCUT PARTS SET: 60cm Karl Geraet
(厚紙が茶色っぽく煤けて見えるのはレーザーによる焼け焦げのためである。)

また別売りのデカールもある。 キットのパーツはカラー印刷されているので, そのまま組み立てる分にはデカールの必要はないので, 別売りデカールは組立後に自分で塗装をする人のためのものなのであろう。

このキットの最大の難点は, 説明がすべてポーランド語で, 他言語での記述は一切ないことである。 私なんぞには全くお手上げである。 幸い下記の参考サイトに挙げた日本のショップ・サイトには, カード・モデル製作のための基礎知識や, 説明書の記号の説明などが用意されているので, ぜひ参考にされたい (日本のショップは実に至れり尽くせりである!)。

この「キット」は, 実際にはパーツの印刷された厚手の紙30枚と, 組立説明書30ページが綴じられた冊子である。 おもしろいことに, ISSNナンバーがつけられており, 雑誌扱いになっているようである。 表紙には2011年の13号という表示もみられる。 カード・モデルは生産数(印刷部数)が少なく, 再販(再版)されないものも多いらしく, 一度買い逃すと入手困難になることが多いとも言われているので, このカールのキットも遠からず市場から消えるのかもしれない。 なお,今回は入手していないが, GPMはカール運搬用の専用貨車のキット(#363, 2013年10号)も発売している。


■メーカー・サイト■

GPM


■参考:カード・モデルを取り扱っている日本国内のショップ・サイト■

艦船模型 Modelship.jp
カード・モデルの基礎知識, 制作過程の例など情報が盛りだくさんである。

紙模型.com
このサイトのカード・モデル製作のページや 関連サイトのリンク・ページも充実している。


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Created: November 2, 2013.
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